診療案内

整形外科

体の痛みは、日常生活へ直結しており、痛みによるお悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。整形外科では、全身のさまざまな痛みやしびれなど体のお困りごとをお聞きし、適切な診断と治療を行っています。ささいな痛みでも、我慢せず是非ご相談いただければと思います。
このような痛みで
お悩みではありませんか?

首の痛み

環軸関節回旋位固定

小児〜学童期にみられます。首の1番目と2番目の骨の関節がずれて(回旋方向)固定された状態です。首を傾けた状態で痛みのために動かせなくなります。保存療法で軽快することが多いです。

Crowned dens症候群

ご高齢の方にしばしばみられ、痛みのため首を回せなくなります(回旋できない)。熱発を伴うこともあります。首の2番目の骨の歯突起といわれる部位の周囲に石灰沈着(ピロリン酸カルシウム結晶)が生じることが原因で、偽痛風発作と考えられています。

頚椎椎間板ヘルニア

首の骨と骨の間の軟骨のクッション(椎間板)が後ろに突出することがあり、これを椎間板ヘルニアといいます。後ろには脊柱管という神経の管が走っており、首のレベルで分岐した神経は肩や腕、手指まで伸びています。神経まで圧迫されると、上肢の痛みやしびれ、脱力を生じることがあります。

化膿性脊椎炎

何らかの原因で、背骨に細菌感染を起こすことがあります。激しい痛みと熱発で発症することもありますが、慢性的な痛みで発症する場合もあります。レントゲン検査に加え、血液検査やMRI等の検査が必要になります。

肩の痛み

肩関節周囲炎(凍結肩:四十肩、五十肩)

中高年の方々に多い病気で、特にきっかけなく肩の痛みがでたり、肩の動きが悪くなったりします。肩を動かすための腱板周囲の炎症の総称です。内服薬や注射で痛みのコントロールを行います。肩の動きをよくするためにリハビリを行うこともあります。

腱板断裂

肩を動かす4つの筋肉の腱(スジ)が上腕骨の頭に付いていますが、この部分が裂けることがあります。中高年の方の場合は、知らないうちに切れていることもあります。外傷性断裂の場合は手術が考慮されることもあります。

石灰沈着性腱板炎

肩の腱板に石灰(リン酸カルシウム)沈着が生じることがあります。激烈な痛みのために、眠れないこともあります。

上腕二頭筋長頭腱炎

腕に力こぶをつくる筋肉である上腕二頭筋の腱は、腱鞘というサヤの中で動いています。擦れて炎症を起こすと内部に水がたまって痛みを感じるようになります。

変形性肩関節症

肩関節の軟骨がすり減ってしまい、肩関節のスムーズな動きが失われます。痛みに加え、動きも悪くなります。肩を動かすときに異音がすることもあります。人工関節の適応になる場合もあります。

肩関節唇損傷

肩関節は上腕骨頭とその受け皿である肩甲骨関節窩の間で動いています。肩関節の安定した動きのために、肩甲骨関節窩には関節唇という軟部組織があり骨頭を支えています。肩の使い過ぎやケガによって、関節唇が切れたり、付着部から剥がれたりすると痛みや不安定感の原因になります。

肘の痛み

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

タオルを絞る動作やドアノブを回すような動作等で、肘の外側に痛みが出ます。手首を上にそらすような動作でも痛みが出ることがあります。手首を動かす筋肉の腱(スジ)の炎症で生じると言われています。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)

テニス肘と同様に、タオルを絞る動作やドアノブを回すような動作等で、肘の内側に痛みが出ます。手首を手のひら側に曲げる動作でも痛みが出ることがあります。手首を手のひら側に曲げる筋肉の腱(スジ)の炎症によると考えられます。

変形性肘関節症

関節の軟骨がすり減ってしまい、骨の棘ができて動きが悪くなる状態です。上肢をよく使う仕事や、外傷後に生じることがあります。痛みや不安定感が強い場合は、人工肘関節置換術の適応になる場合があります。

手・手首の痛み

ドケルバン病

親指の腱鞘炎です。親指の背側を通って、指を伸ばしたり外に開く腱で炎症が起こり、痛みが出ます。

インターセクション(腱交叉)症候群

親指を伸ばしたり、外に開いたりする腱と、手首を上にそらす腱が交差している部分(手首よりやや体幹側)で炎症を起こして痛みが出ます。

ばね指

指を曲げる腱の腱鞘炎です。曲げると引っかかって、伸びにくくなります。力を入れて伸ばすとコクッと戻ることが多いですが指の付け根に痛みを伴うこともあります。ひどくなると、伸びや曲がりが悪くなります。

手根管症候群

正中神経が手首の手根管というトンネルで圧迫されて生じます。母指・示指・中指と環指の母指側にしびれや痛みが出ます。ひどくなると母指球(母指の付け根の筋肉)が萎縮してきます。内服薬や注射で改善しない場合は手術が必要になることがあります。

腰の痛み

腰椎椎間板症

軟骨のクッションである椎間板が傷つくことによって生じます。前かがみになると痛みが出ることが多いです。

腰椎椎間板ヘルニア

軟骨のクッションである椎間板が後方に飛び出して神経を圧迫することがあります。腰痛の他、片方の下肢に痛みやしびれが出ることがあります。

腰部脊柱管狭窄症

腰の骨の後ろを走る神経の管(脊柱管)が、変形した骨や飛び出した椎間板・肥厚した靱帯等の軟部組織によって圧迫されて生じます。腰痛の他に両下肢の痛みやしびれが出ることがあります。長く歩くと痛みやしびれがひどくなり、前かがみになって休憩するとまた歩けるようになるといった症状が特徴的です。ひどくなると、連続して歩ける時間が短くなります。

椎間関節炎

腰の骨をつないでいる関節に炎症が起こって痛みが出ることがあります。
後ろにそると痛みが強くなることが多いです。

化膿性脊椎炎

腰の骨に細菌が広がって生じます。腰の痛みの他に、発熱が見られることが多いです。
周りの筋肉(特に腸腰筋)に膿(ウミ)が広がると、痛みのために下肢を伸ばせなくなることもあります。

仙腸関節障害

骨盤の骨のうち、仙骨と腸骨が接している関節で炎症が起きて痛みが出ることがあります。
臀部(お尻)や下肢にも痛みが出ることがあります。

股関節の痛み

変形性股関節症

軟骨がすり減って、歩行時の痛み、跛行(足をひきずる)、可動域制限(動く範囲が狭くなる)などがみられます。進行すると、股関節を動かすときにゴリゴリとした音がすることもあります。日常生活に支障が出るようであれば、人工関節置換術の適応になる場合もあります。

FAI(Femoro Acetabular Impingement)

寛骨臼あるいは大腿骨頭〜頚部の形態的異常から、寛骨臼縁の関節唇や軟骨に損傷が生じる病態です。まずは、リハビリテーションによって疼痛の緩和を図る治療を行うことが一般的です。

大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折:SIF(Subchondral Insufficiency Fracture of femoral head)

高齢の女性に多く、骨粗鬆症を背景として生じる骨折です。特に誘因無く痛みが生じて、歩行困難になることもあります。

特発性大腿骨頭壊死症

股関節を形成している大腿骨頭が何らかの原因で阻血になり(通常、骨は造血組織でもあり、内部は血液で満たされています)骨が壊れてしまう病気です。骨頭が壊れて変形すると、変形性股関節症に進展します。他の病気でステロイド剤を使用していたり、アルコールを多飲される方に生じることがあります。薬による治療が無効であれば、手術療法(骨切り術や、人工関節置換術)が行われます。

膝の痛み

変形性膝関節症

膝の関節の軟骨がすり減って、痛みが出現します。膝関節のクッションである半月板がすり切れたり正常な場所から逸脱しまっている場合もあります。進行すると変形が進み、可動域制限(曲げ伸ばしの制限)がみられます。まずは内服薬や注射などによる保存療法が行われますが、日常生活が困難になれば手術(骨切り術や人工関節置換術)が考慮されます。
ごく初期の段階でも関節近傍の骨の中に、微少な損傷が起こって強い痛みが出ることもあります。これはMRI検査で診断可能なBML(Bone Marrow Lesion)といわれるものです。

半月板損傷

半月板は膝関節のクッションです。繊維軟骨でできていますが、無理な力が外からかかった場合、切れてしまうことがあります。切れ端がひっかかって、膝が伸びない(ロッキング)状態になることもあります。

鵞足炎

膝の内側(脛骨側)の筋肉の腱が付着している部位を鵞足といいます。ここで炎症を起こすことがあります。

靱帯損傷

膝周囲にはいくつかの大きな靱帯(内側側副靱帯、外側側副靱帯、前十字靱帯、後十字靱帯等)があります。外傷によって、これらの靱帯を痛めることがあります。膝関節に不安定性があれば、手術の適応になることもあります。

ジャンパー膝

ジャンプやランニングを繰り返すことによって、大腿四頭筋腱・膝蓋腱の膝蓋骨付着部に負荷がかかり、炎症を起こすことがあります。

偽痛風

ご高齢の方にみられます。膝関節の中に、ピロリン酸カルシウムが沈着して炎症を起こすと痛みや腫れが生じ、熱発することも多いです。消炎鎮痛剤でよくなることが多いです。

痛風

尿酸結晶が関節の中にたまって炎症を起こします。高尿酸血症が誘因となりますので、お薬での治療や、食生活の改善が重要です。高尿酸血症を放置すると動脈硬化が進行するリスクもあります。

化膿性関節炎

関節の中に細菌が入り込んで炎症を起こして、痛みや腫れを生じて熱発します。進行すると関節の中に膿がたまります。外傷や、血行性感染(他の部位での細菌感染が原因で、細菌が血液によって運ばれる)で起こります。

足関節の痛み

変形性足関節症

過去の捻挫などのケガをきっかけに、軟骨の損傷が生じて時間の経過と共に変形が進行することが多いです。程度によっては手術適応になることがあります。

靱帯損傷

捻挫などの外傷によって、内・外側の靱帯を痛めることがあります。
MRI等の検査が必要になる場合もあります。

足の痛み

扁平足

足のアーチ(土踏まず)が無い状態のことを扁平足といいます。測定にかかる体重のバランスが悪くなることで、足の裏にタコができて痛みの原因になることもあります。

外反母趾

扁平足に付随して生じることが多いです。基本的には保存療法で治療を行いますが、生活に支障がでたり、見た目をよくしたい場合は手術療法が選択されます。

足底腱膜炎

足の裏の土踏まずを屋根のように支えている(アーチ構造)のが足底腱膜です。スポーツや、長時間の立位歩行は足底腱膜がストレスにさらされるため、痛みの一因となります。

痛風

足の親指の付け根が腫れて痛みや熱感、発赤を伴います。痛みのために歩行も困難になることが多いです。

シーバー病

踵骨の骨端症(成長板の炎症)で、10歳前後の小児でみられます。アキレス腱の付着部である未熟な骨端部での過度な牽引力が一因です。

足のむくみ

深部静脈血栓症

エコノミークラス症候群と言われることもあります。下肢の太い静脈に血栓が生じると、むくみの原因になります。膝裏より中枢(心臓に近い部位)に血栓が生じている場合は、造影CTで肺動脈に血栓がないかを確認する必要があります。抗凝固療法(血液をサラサラにする治療)が行われます。

リハビリテーション

医師の診断のもと、リハビリが必要な患者さんに対して、予防に力を入れたマンツーマンのリハビリテーションを行っています。理学療法士が在籍しており、患者さんの全身の痛み、動かしづらさの改善や、手術後やスポーツでの怪我の後のリハビリまで、サポートいたします。

骨粗しょう症

年々、超高齢化社会が進む日本ですが、高齢者の骨折の要因でもある骨粗しょう症の治療率は約2割と言われています。骨折してしまってからでは、寝たきりになってしまうなど生活の質が大きく下がってしまいます。骨折を予防し、健康寿命を延ばすためにも、骨折予防に力を入れた骨粗しょう症治療が非常に大切です。当院では、信頼の置けるDEXA法での骨密度検査も行っています。お早めにご相談ください。

PFC-FD療法

PFC-FD療法とは

PRP(Platelet Rich Plasma: 多血小板血漿) 療法という言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。血小板は体に傷ができて出血したときに止血する作用を持っていますが、その他に壊れた組織を修復する際などに必要な成長因子(新しい血管を誘導したり、細胞を増殖させて新たな組織を作る作用を有します)を多く含んでいます。現在では変形性関節症や、関節周囲の靱帯・軟部組織などの痛みに対して、活用されています。
PFC-FD™は、PRPと同様に血小板の力を活用する治療法であり、血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存したものの商品名・サービス名となります。
※「PFC-FD」は Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dry という造語の頭文字から名付けられています。 by CellSource

変形性膝関節症に対するPFC-FD療法の位置づけ

PFC-FD療法の位置づけ

PFC-FD療法の特徴

ご自身の血液に含まれる血小板から、さまざまな成長因子を抽出・活性化し、痛みを抑える抗炎症作用や損傷部分の事故修復を促進します。
PFC-FDに含まれる成長因子
変形性膝関節症をはじめ、さまざまな「ひざ」をはじめとした関節疾患に対し、以下の効果が期待できます。
  • 痛みの緩和による日常生活動作の改善(階段昇降、トイレ動作や寝返りなど)
  • 曲げ伸ばし時の違和感や腫れといった症状の軽減
  • 日常感じる違和感や、そのために失った身体的自信の回復

PFC-FD療法をご検討されている方へ

当クリニックでは「いまの治療に満足できないけれど、手術はしたくない…」といった患者様に、バイオセラピー【PFC-FD™療法】をご紹介しております。ご自身の血液から血小板由来の成長因子を抽出し、患部に注入することにより抗炎症作用や鎮痛作用の継続的な効果を期待する治療です。
関心がございましたら、ぜひご相談ください。
※PFC-FD™は、セルソースの提供する商標です。
PRP療法には健康保険は使えません。
また、患者様の状態によってPRP療法が適応にならない場合もあります。詳細はスタッフにおたずねください。